ドイツ定番の観光地といえば、ノイシュバンシュタイン城やローテンブルク等がありますが、アジア人観光客で混雑していることが多く、せっかくヨーロッパに来ているのに興ざめしたという声をよく聞きます。有名なのにはそれなりに理由があるわけですが、知名度は低くても有名どころに勝るとも劣らない名所だってあります。そこで、芸術的感性の乏しい私でも素直に良いと思った穴場4か所を紹介します。
<ゴスラー(Goslar)>
ゴスラーはドイツ北中部ハルツ山の麓にあり、鉱山の街として栄えました。木組みの家とうろこ状スレートの家が密集し、皇帝居城や水路もあってコンパクトながら変化に富んだ美しい景観の街です。戦禍を免れ昔のままの姿を残しているので、ランメルスベルク鉱山とともに街そのものが世界遺産に登録されています。ローテンブルクのようなカラフルさはありませんが、観光客が少なく落ち着いた雰囲気です。マルクト広場のからくり時計や地ビールGOSEのブラウハウス(自家醸造レストラン)、シーメンス創業者の先祖代々の家はすべて徒歩圏内。少し足を延ばせば、ランメルスベルク鉱山を見学したり、ヴェルニゲローデ(Wernigerode)まで移動してSLでブロッケン山に登ることもできます。

木組みの家々 
うろこスレートの家と水路

皇帝居城 
マルクト広場のからくり時計

ブラウハウス 
シーメンスの家

ランメルスベルク鉱山 
ブロッケン山とSL
<バンベルク(Bamberg)>
ゴスラー同様に昔からの景観が破壊されることなく残っている貴重な街です。レグニッツ川の中州に建つ旧市庁舎がシンボル的存在ですが、その周辺の旧市街と川が織り成す街全体の情景が最大の魅力です。川を挟んで聖職者と庶民が分かれて住んでいたため、壮麗な宗教建築が集中しているエリア(大聖堂や宮殿など)と素朴な家々が立ち並ぶエリア(小ヴェネツィアなど)で違った雰囲気が味わえます。ビールの街としても知られ、多くの醸造所があります。中でもラオホビアと呼ばれるスモークした麦芽を用いたビールが有名です。ニュルンベルク(Nuremberg)からのアクセスが良いので、クリスマスマーケット等でニュルンベルクを訪れる際には立ち寄ることをお勧めします。

旧市庁舎 
旧市庁舎上流側の景色

小ヴェネツィア 
ラオホビア(一番右)
<ヴァルトブルク城>
ドイツの城といえば、ノイシュバンシュタイン城を筆頭にホーエンツォレルン城、エルツ城といった外観の美しい城が人気ですが、ヴァルトブルク城の歴史的・文化的価値はこれらとは比べ物になりません。特に重要なのは、宗教改革を唱えたルターが身の危険から逃れるために隠れ、聖書を翻訳した場所であるということです。ラテン語で書かれていた聖書を庶民でも読めるようにドイツ語翻訳したことで、ルター聖書が普及し、現代ドイツ語にも大きな影響を与えたと言われています。また、奉仕活動に尽力した聖女エリザベートが嫁いだこと、ワーグナーのオペラ「タンホイザー」の題材となった歌合戦が行われた場所であることでも知られています。エリザベートの間や祝宴の間等はガイドツアーでのみ見学できます。ヴァルトブルク城はアイゼナハ(Eisenach)というドイツ中部の街にあり、バッハの家、ルターの家、ワーグナー博物館等もあります。

ヴァルトブルク城 
ルターの部屋

エリザベートの間 
祝宴の間

バッハの家 
ルターの家
<ザクセン・スイス国立公園>
名前にスイスと付いていますが、チェコとの国境に接しています。一億年前は海面下にあった土地が、地殻変動によって隆起し、河川の浸食により形成されたという奇岩群が特徴です。ハイライトは奇岩群にかけられたバスタイ橋で、ここから眺めるエルベ川も絶景です。対岸には13世紀に作られたケーニッヒシュタイン要塞があります。貴族の住居や井戸、牢獄、馬小屋など様々な建物を備え、まるで一つの村のように巨大です。ドレスデン(Dresden)から近く、芸術的な都市と大自然の両方を楽しめるドイツでは珍しいエリアです。

奇岩群 
バスタイ橋

エルベ川 
ケーニッヒシュタイン要塞

ドレスデン
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