知っておくべきドイツの交通ルール

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少し趣向を変えて、今回はドイツで運転する際に気を付けるべきことについて書きたいと思います。基本的にドイツの運転マナーは非常に良く、日本で問題なく運転できる人なら危険を感じることはほとんどないと思います。ただ、右側通行やラウンドアバウト、見慣れない標識や独自ルールなどがありますので、私が思い付く注意点をまとめてみます。

免許

有効な日本の運転免許と日本の国際運転免許があれば運転できます。国際免許は各自治体の免許センターで取得できますが有効期限は一年です。なお運転免許に関する国際条約はジュネーブ条約とウィーン条約の二つがあり、日本は前者のみ、ドイツは後者のみに加盟していて本来は国際免許に互換性はありませんが、二国間で個別合意があるため問題ありません。ただし、これは短期旅行者の場合で、移住、駐在などで6カ月以上滞在する場合はドイツの免許に書き換えが必要です。ちなみに、ヨーロッパの多くのレンタカー会社は21歳以下や免許取得1年未満のドライバーには貸し出さないという内規があります。年齢や期間については会社によって異なりますので事前に確認してください。また、ほとんどのレンタカーがマニュアル車です。

<走行車線>

ヨーロッパの大半の国は日本と逆の右側通行です。二車線以上の場合は、右側が走行車線、左側が追い越し車線となるのも、日本と逆です。慣れないうちは、駐車場から出るときや交差点でうっかり左側通行してしまいそうになるので十分注意してください。

<制限速度>

特に速度制限の表示がない場合は、原則として市街地は50km/h、郊外は100km/h、アウトバーンは無制限(推奨速度は130km/h)です。ただ、実際には速度標識が結構あって、細かく規制されています。地元民はだいたい制限速度の+10~20km/hで走っている人が多い印象ですが、不慣れな人が同じように走っているとすぐに違反で捕まります。というのも取り締まりカメラ(いわゆるオービス)が多数設置されていて、1km/hでもオーバーすれば容赦なく罰金となるからです。日本のように「速度取締区間」といった親切な看板はありません。罰金は超過速度によって変わり、10km/h以下であれば十数€と高くはありませんが、レンタカーの場合手数料が追加されますし、日本からの銀行振込も面倒です。特に制限速度が変わった直後は要注意です。たとえば、一般的な市街地から住宅密集地(50→30km/h)、郊外から市街地(100→50km/h)、アウトバーンの工事現場(無制限→120→80km/h)など。経験的にはトンネルや橋、長い下り坂もカメラが多い印象です。急ブレーキをかけないと間に合わない場合もあります。

また、下記のように時間帯指定の制限速度や、路面が濡れているときの制限速度(Nässe)もありますので、意味が分かっていないと不必要に速度を落とすことになります。

他に注意すべきは、以下のような町名標識です。左側の標識は市街地に入ったことを意味するので、制限速度標識がなくても50km/h制限になります。中央の標識はその市街地を抜けたことを意味するので100km/h制限になります。また右側の標識は歩行者優先エリアで歩行者と同等の速度まで落とす必要があります。

<ラウンドアバウト>

ヨーロッパでは市街地を除けば信号は少なめです。かわりにラウンドアバウトというロータリー交差点が多いです。反時計回りに回って(英国など左側通行の場合は時計回り)目的の方向に退出します。ロータリーを走行している車が優先されます。特に標識がなければ一時停止する必要はありません。十字の交差点と大差ない小さなものから、半径100m以上の巨大なものまであります。

<アウトバーン>

ドイツ国内を縦横に走っている無料高速道路です。速度無制限で有名ですが、実際には結構な区間で速度制限があります。建設から年数が経っている路線が多く、道幅は広くないですし、舗装も悪いです。そのため、そこらじゅうで工事が続いています。日本の高速道路の方が遥かに整備されているのに100km/h制限というのはドイツ人には理解できないと思います。無制限区間では200km/h以上で走っている車も普通に見かけます。かなりの速度差がありますが、基本的に前を走っている方が優先されるので、遅い車が突然追い越し車線に入ってくることがあります。日本で言うサービスエリア、パーキングエリアもありますが、トイレは有料です。

<駐車>

ドイツでは路上駐車が当たり前です。道路の両サイドがどうやって停めたんだろうと思うくらい隙間なく埋まっていることもよくあります。もちろん、どこでも停めていい訳ではないですし、有料の場合も多いです。Pマークの下に無料なら時間、有料ならParkscheinとか有料の時間とかが書いてあります。中央の2時間無料の場合は、パークシャイベ(Parkscheibe)という何時から駐車しているかを示すサインを車内の見えるところに置く必要があります。右側の有料の場合は、近くに駐車券を発行する機械がありますので、そこで必要な時間分の駐車券を発行し、見える場所に置きます。なお、コインしか使えず、釣銭がでない場合もあります。駐車違反が不安だったり、ぶつけるのが心配な場合はゲート付きのコインパーキングが無難です。

<その他>

  • 踏切で一時停止する必要はない
  • 右車線からの追い越しは違反
  • 横断歩道は歩行者優先(日本も同じだが圧倒的に厳しい)

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