スイス 2020年9月
<概要>
スイスといえばアルプスの美しい風景をイメージされる方が多いかと思います。登山鉄道での旅行が人気ですが、ドライブだからこそ味わえる素晴らしい景色も沢山あり、中でもフルカ峠はヨーロッパ有数のドライビングスポットして有名です。
ここではチューリッヒの南約100キロに位置するヴァッセン(Wassen)を出発し、ズステン峠、グリムゼル峠、フルカ峠、ゴッタルト峠を通過しアイロロ(Airolo)を終着とするルートを紹介します。双方向通行可能な一般道ですので旅程に合わせてルートは調整してください。
<ズステン峠(Susten Pass)>
スステン峠と表記されることが多いようですが、ドイツ語ではズステンの方が近い発音です。雪を頂いた山々や谷を流れる川、ベルを付けた牛や羊が草を食む牧場、標高が上がるにつれて変化する植生など美しい景色が延々と続きます。

一番の見どころはシュタイン氷河です。エメラルドブルーの氷河湖とのコンビネーションは、まさに絶景です。峠道そのものが展望台のようなものなので、走りながら景色の変化を楽しめます。


<グリムゼル峠(Grimsel Pass)>
グリムゼル峠に続く道は、レーテリヒスボーデン湖、グリムゼル湖、トーテン湖の湖畔を走っているので、湖越しの景色が特徴です。


グリムゼル峠とフルカ峠は谷を挟んで向かい合っています。以下はグリムゼル峠から撮った写真です。左上に見えるつづら折りの先にフルカ峠があります。

<フルカ峠(Furka Pass)>
こちらはフルカ峠からグリムゼル峠を見た景色です。


グリムゼル峠から谷に下り、フルカ峠まで上る途中にベルヴェデーレ(Belvedere)という場所があります。ベルヴェデーレはイタリア語で見晴台という意味で、お土産屋を抜ける(有料)と展望台からローヌ氷河を見ることができます。氷河湖が形成され、川となって谷に流れていく様子が分かります。氷河の先端まで10分程度と近く、そこでは氷の洞窟が待っています。


フルカ峠は映画「007 ゴールドフィンガー」のロケ地であり、アストンマーチンDB5とフォード・マスタングのカーチェイスシーンが撮影されました。

<ゴッタルト峠(Gotthard Pass)>
ゴッタルト峠はチューリッヒとミラノを結ぶ交通の要衝で、新道と旧道に加えバイパスとなるトンネルが走っています。特徴的なのは大部分が石畳の旧道です。かつては馬車で往来していたとのことで歴史が感じられます。


ちなみにゴッタルトトンネルは渋滞の名所です。トンネル内の通行量が増えすぎないよう、手前の信号で調整されるようになっています。そのため、週末など交通量が多い日は大渋滞が発生し、新道まで混雑します。時間に余裕がない場合は避けた方が無難です。
<全ルートを通じて>
大部分は片側一車線が確保されており、きれいな舗装です。フルカ峠からゴッタルト峠にかけて一部車線の無い区間がありますが、すれ違えないほどではありません。集落を除けば制限速度は80km/hです。景観を損ねるカーブミラーやガードレールはほとんどないので、怖いと感じる方もいるかもしれません。ヘアピンカーブのRはそれほどきつくなく、勾配も緩やかなので走りやすいです。退避所が沢山あるので、停車場所に困ることはないと思います。
<アクセス>
日本から直行便のあるチューリッヒ空港か、首都のベルン空港から2時間弱です。ミラノから北上するルートもあります(3時間)。車で走ることを前提にしているので公共交通機関での行き方は省略します。
開通時期 | 年によるが6月末から10月初めまでオープン(冬季は閉鎖) |
通行料 | 無料 |
<周辺観光>
マッターホルンのツェルマット(Zermatt)やユングフラウヨッホのグリンデルヴァルト(Grindelwald)のような超有名山岳リゾートは勿論素晴らしいのですが、スイスアルプスはどこに行っても本当にきれいなので、あまり観光客がいない場所で大自然を満喫するのも良いものです。
上記ドライブルート周辺には多くのハイキングコースがあります。私は、ズステン峠の西にあるガトメン(Gadmen)を出発し、氷河湖にかかる吊り橋、トリフト橋(Triftbrücke)を目指すコースを歩きました。トリフトバーンというロープウェーに乗り(事前予約制)、1時間半歩くとトリフト橋に到着します。谷底まで100mあり、結構揺れるのでかなりスリリングですが、これも良い思い出になります。
宿泊はガトメンのTriftblickというホテルにしました。内外装ともにきれいで、料理は美味しく、スタッフの愛想も良い上に、物価の高いスイスにおいて一泊100CHF程度と文句なしでした。

Triftblick
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